ホリデーマーケティングガイド

クリスマス、バレンタインデー、ハロウィーン、スーパーボウル・サンデー、オーストラリア・デー…これらの共通点は何でしょうか?これらはすべて、それぞれのマーケットで有名な祝日であり、売上と収益を作り出す絶好の機会となっています。プレゼントやパーティー、飾り付け、そして長期連休など……1年の中でどの月にも、皆様がターゲットとするお祝いや祝日、シーズナルイベントがいくつかあります。マーケターとして最初に考えるべきことは、時間、リソース、予算を最大限に活用するために、どの祝日に焦点を当てるべきか、ということです。では、年間の季節毎のマーケティングプランを検討する前に、ホリデーマーケティングとは実際に何なのかを見てみましょう。

ホリデーマーケティングとは?

ホリデーマーケティング(シーズナルマーケティング)とは、特定の祝日を中心に、ブランドやプロダクト、サービスを集中的に宣伝する戦術やチャネルのことです。季節的なマーケティングキャンペーンには、ホリデー前、ホリデー中、あるいはホリデー後の特定の期間に集中的に、消費者の購買意欲を刺激する特別オファーが含まれる傾向があります。ブランディングはホリデーマーケティングの重要な要素であり、企業はホリデーやイベントに関係する話題とともに、自社ブランドの認知度を高めることができます。典型的な例としては、スーパーボウル広告や、イギリスの小売業ジョン・ルイスの毎年恒例のクリスマス・ビデオが挙げられます。

ブランドは、ホリデーマーケティングにあらゆるチャネル、戦略、戦術を活用することができるため、厳格なルールはありません。とはいえ、正しいスタートが切れるように、ホリデーマーケティングについて知っておくべき5つの基礎知識をご紹介します。

ホリデーシーズンに、人々は意図的に買い物をする。

シーズナルマーケティングの良い点のひとつは、オーディエンスの意図を把握しやすいことです。ホリデーシーズンに買い物をする人々は、目的を持って買い物をします。例えば、母の日とバレンタインデーでは、一般的に購入される商品の種類が異なるため、マーケターはそれに合わせてキャンペーンのメッセージやターゲティングを調整することができます。ホリデーはまた、消費者が買い物に集中する時期でもあります。単なる気軽なネットサーフィンではなく、特定のギフトやアイデア、そしてお得な情報を探しているのです。マーケターの皆様は、ぜひこのことをホリデーシーズンのマーケティング活動に活かしていただければと思います。

プロからのアドバイス:消費者の意図を理解する最も簡単な方法は、データを見ることです。買い物のトレンドやパターンに関するインサイトを提供するリソースはたくさんあります。全米小売業協会(National Retail Federation)のウェブサイト「Holiday and Seasonal Trends」をチェックしてみてください。常に更新されており、役立つ消費者データが満載です。

消費者は新しい発見を求めている。

ホリデーシーズンのユーザーの購買意欲は非常に高く、新しいブランドや商品を発見することに積極的です。彼らは「アンテナ」を張り巡らせ、完璧なギフト、ベストプライスといった満足できる魅力的なチャンスを見つけようと積極的に検索しています。マーケターは、消費者のレーダーに入り込む積極的なアプローチで、この機会を利用すべきです。ホリデーシーズンは、他とは違う、クリエイティブな力を発揮し、混みあったマーケットの中で際立つキャンペーンを展開するチャンスであると言えます。「20%割引セール」もいいですが、必ずしも注目を集めるとは限りません。ユーザーがブランドに訪れてくれることを待つのではなく、手を差し伸べてユーザーの心をつかむ方法を探しましょう。

プロからのアドバイス:ネイティブ広告は、ユーザーが新たな発見を求めているタイミングで、注目を集めるのに最適なチャネルで、表示されるウェブページと同じような見た目で掲載されるため、読者のオンライン体験を邪魔することはありません。さらに、Outbrain のネイティブ広告はプレミアムパブリッシャーサイトに表示されるため、質の高いトラフィックとリードを生み出し、マーケターは最適なオーディエンスにリーチするためにターゲティングをカスタマイズして調整することもできます。ネイティブ広告キャンペーンの作成方法については、こちらのガイド(英語)をご覧ください。

ホリデーマーケティングは、早くから開始すべし。

マーケターが犯しがちなミスの1つは、ホリデーシーズンのキャンペーンをギリギリまで放置してしまうことです。ストレスが増えるだけでなく、キャンペーンをホリデーシーズンの間近に開始しすぎると、ホリデーシーズンを前に早めに動き出すユーザーの重要なトラフィックを逃してしまう可能性があります。

ただし、これは必ずしも厳密に全てのシーズナルイベントに当てはまるわけではありません。ブラックフライデーのセールは早くから始まる傾向があり、消費者は数週間かけて最もお買い得な商品を探すのが一般的です。一方、バレンタインデー商戦は当日、もしくは直前に盛り上がるため、キャンペーンの開始が少し遅れたとしても、直前のトラフィックを獲得できる可能性があります。他のデジタルマーケティング活動と同様、ホリデーマーケティングにもしっかりとした計画と、キャンペーンを最適化するための十分な時間を確保しておくことが必要です。

プロからのアドバイス:待つ必要はありません。マーケターは祝日やシーズナルイベントを自由に活用することができます。各国の年間スケジュールをまずは確認しておきましょう。

ホリデーマーケティングは、ローカライズが重要。

バレンタインデーのようにグローバルなシーズナルイベントもあれば、母の日のようにローカルなものもあります。例えば、母の日と父の日は、米国と英連邦で異なる日付になります。ヨーロッパのクリスマスは冬の祝日ですが、オーストラリアや南米では夏休みのピークです。御社の所在地やビジネスの種類によって、このようなことを考慮した上で、季節ごとのマーケティングに取り組む必要があります。ダウンロード可能な商品であれ、国際配送であれ、皆様が扱う商品がグローバルに利用可能な場合、キャンペーンは各地域に応じて調整され、適切な地域セグメントにターゲティングされる必要があります。

プロからのアドバイス:季節のマーケティングキャンペーンのローカライゼーションには、メッセージの適応、コピーの翻訳またはローカライズ、適切な画像の使用、あるいは地域市場に合わせた商品自体の調整(価格設定や割引など)が含まれます。ローカライゼーションとグローバルマーケティングについては、こちらをご覧ください。

ホリデーマーケティングの計画は、年間を通して進めるべし。

前述に通り、祝日やシーズナルイベントの日程はすべて事前に分かっているので、直前まで待つ必要はありません。それよりも、季節ごとのマーケティングを長期的な活動としてとらえ、一年中有効な戦略を活用してホリデーシーズンを盛り上げるのが賢明であると言えるでしょう。例えば、「1年を通してホリデー関連のキーワードでSEO対策を進め、ピーク時に検索エンジンで上位に表示されるようにする。」また、年間を通してホリデーキャンペーンを計画することは、予算と広告費を正確に配分するために重要です。もしあなたの商品が冬の間は人気がないのであれば、お正月よりも夏のキャンペーンに予算を集中させることができるからです。 

プロからのアドバイス:ホリデーマーケティングに集中する場合でも、より大きなマーケティングイメージの中で枠組みを考えていくのが良いでしょう。効果的なデジタルマーケティング予算の立て方に関するブログ記事(英語)はこちらです。

ホリデーマーケティングガイド: 世界のシーズナルイベント

さて、ホリデーマーケティングの基本を理解したところで、1年分のシーズナルマーケティングのタイミングを見ていきましょう。以下では、年間マーケティングカレンダーに取り込まれる可能性のある主な祝日やシーズナルイベントを月ごとに分類し、面白いインサイトなどもご紹介します。

すべてが皆様のマーケットに関連するとは限らないので、あなたのブランドに関連があり売上増の可能性のあるイベントに焦点を当てましょう。可能な限り、ヒントや戦略、そして刺激的なキャンペーン事例など、シーズナルイベントに特化した先進的なコンテンツへのリンクを掲載しています。ぜひチェックしてみてください。

1月

北・南半球によって異なりますが、冬または夏のピークです。1月は新しい年の始まりであり、多くの地域で第1四半期のマーケティング計画と予算の始まり、そして人々が新年の決意を固める時期でもあります。

1月1日:元旦(グローバル)
1月第2月曜日:成人の日(日本)
1月第3月曜日:マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デー(米国)
1月26日: オーストラリア・デー(オーストラリア)

2月

大小さまざまな国家的・世界的イベントが開催される、世界的に忙しい月。スーパーボウルはアメリカの観客にとって大きなイベントであり、バレンタインデーは多くの国で国際的な愛の日として祝われています。中国以外でも広く祝われる旧正月も忘れてはなりません。

2月の第1日曜日:スーパーボウル・サンデー(米国)スーパーボウルのマーケティング戦略
2月3日:節分(日本)
2月14日:バレンタインデー(世界)
毎年約10億枚のバレンタインカードが送られる。
愛があふれている!ベスト・バレンタイン・マーケティング・キャンペーン
1月21日~2月20日:旧正月 干支にちなんだキャンペーンを!
2月29日:うるう日(グローバル)。4年に一度の超ビッグマーケティングのチャンス!

3月

北半球では、3月は春の訪れを感じさせ、新しいアイデアやオファーでキャンペーンをリフレッシュする絶好の機会です。さらに、消費者の購買意思決定の大半を女性が握っていることから、国際女性デーは見逃せないマーケティング・チャンスです。

3月3日:ひなまつり(日本)
3月8日:国際女性デー(グローバル)
3月14日:ホワイトデー(日本)
3月17日:セント・パトリックス・デー(米国、アイルランド、全世界)
3月19日/20日/21日:立春(北半球)春休みマーケティングのベストプラクティス

4月

1年で最も陽気な日で始まる4月は、イースターや過越祭など祝日が目白押しで、特に家族向けのブランドにはマーケティングのチャンスがたくさんあります。エコにインスパイアされたマーケティング・キャンペーンで母なる地球を祝おう。

4月1日:エイプリルフール(グローバル)ベストエイプリルフール・マーケティング・キャンペーン(最も面白いもの!)
3月/4月:過越祭/イースター(グローバル)イースターマーケティング: ホリデーキャンペーンの成果を最大化する方法
4月22日:アースデイ(世界)この10年のアースデーキャンペーン:トップ8
4月29日:昭和の日(日本):ゴールデンウィークのスタート!

5月 

5月はビッグ “M “の月であり、米国をはじめとする多くの国々では母の日、米国ではメモリアルデー、そしてメキシコの祝日シンコ・デ・マヨが米国をはじめとする他の国々にも広がっています。この月は、様々なトーン、スタイル、ターゲットに適した様々なキャンペーンを実施するチャンスがいくつもあります。

5月3日:昭和の日(日本、ゴールデンウィーク)
5月4日:みどりの日(日本、ゴールデンウィーク)
5月5日:こどもの日(日本、ゴールデンウィーク)
5月5日:シンコ・デ・マヨ(メキシコ)
5月第2日曜日:母の日(米国、その他)母の日Eコマース・マーケティングのヒント 
                  母の日を成功させよう
5月最終月曜日:メモリアルデー(米国)

6月

米国やその他の地域では、6月は父の月であり、父の日のマーケティングキャンペーンが盛んに行われます。北半球では夏休みが目前に迫っており、旅行やレジャーのキャンペーンを計画・実行するには絶好の時期です。

6月第2土曜日:女王誕生日(英国、その他の英連邦諸国では日付が異なる)
6月第2日曜日:父の日(米国、その他)父の日マーケティング

6月20日~22日:夏至 – バカンスシーズンはもうすぐそこ!(北半球)
        ネイティブ広告旅行キャンペーンのヒント
        ワールドカップマーケマーケティング(日本語)
6月: プライド月間(グローバル) ベストプライドマーケティングキャンペーン

7月

アメリカ、カナダ、フランスでは国を挙げての祭典の月であり、夏休みのピークです。学校が終わり、太陽が照りつけ、欧米各国では特に、家族や友人が集まってリラックスして楽しむ期間です。バカンスシーズン、また日本ではボーナスシーズンでもあり、ユーザーの消費行動を最大限刺激するのに、最高のタイミングです。

7月1日:カナダ・デー(カナダ)
7月4日:独立記念日(米国)
7月7日:七夕(日本)
7月14日:バスティーユ・デー(フランス)
ワールドカップ!4年に一度の…ベスト・ワールドカップ・マーケティングキャンペーン
7月第3月曜日:海の日(日本)

8月

北半球では夏が徐々に終わりを告げ、新学期を迎える子供達のための買い物の時期でもあります。計画的なマーケターにとっては、1年で最大のショッピングシーズンであるブラックフライデーについて検討を始める時期です。

8月12日:国際青少年デー(グローバル)
8月中旬:お盆(日本)

9月

9月は実際の祝日という意味では静かな月だが、ハロウィンに始まりクリスマスと新年で終わる最も長いホリデーシーズンに向けて、マーケターにとっては忙しい時期だ。この時期は、今後のキャンペーンの構築に集中しましょう。

9月第1月曜日 労働者の日(米国)
労働者の日後の第1日曜日:祖父母の日(米国)
9月第3月曜日:敬老の日(日本)秋分の日や土日と合わせて長期連休になるとシルバーウィークと呼ばれます。
9月23日:秋分の日(日本)

10月

そして始まる…年末商戦は10月末のハロウィンで幕を開けます。かつてはアメリカ独自の祝日だったハロウィンも、今ではアジアやオーストラリアまで祝われるようになり、消費者の関心と売上を獲得する絶好の機会となっています。

10月31日:ハロウィーン(米国およびその他の国)
     ベスト・ハロウィーン・マーケティング・キャンペーン
     売上を伸ばすホリデーマーケティングのヒント
     ホリデーシーズンのEコマース動向

11月

11月は、暦の上で最大且つ最も忙しいショッピング期間がいくつかあります。インドのディワリの祝日、中国のシングルズデー、感謝祭、そしてもちろん、伝説的なブラックフライデーの週末はサイバーマンデーまで続きます。店舗でもオンラインでも、消費者の財布の紐が緩むタイミングです。最近は、日本でもブラックフライデーセールの機会も増えてきました。11月を最大限に活用する戦略を早めに立てましょう。

11月(日付はヒンズー教の暦によって異なる): ディワリ(インド)
11月11日:シングルズデー(中国&グローバル)世界最大級のショッピングデー!
11月11日:リメンブランス・デー(英連邦)
11月第4木曜日:感謝祭(米国)
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感謝祭後の週末:ブラックフライデー/スモールビジネスサタデー/サイバーマンデー(米国・全世界)
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12月

1年の最後の月は、クリスマス、ハヌカ、大晦日に加え、クワンザの5連休など、ホリデーが目白押しです。南半球のマーケターにとっては、夏休みのピークにあたるので、早めに計画を立てるようにしましょう。日本では、年末年始の長期連休となり、旅行やショッピング意欲が高まる時期です。

12月11日:ナショナルアプリデー(米国)ネイティブ広告でアプリのインストールを促進する方法
12月(日付はユダヤ暦によって異なる): ハヌカ(世界)
12月25日:クリスマス(グローバル)12本以上のクリスマスCMとストーリーテリングについて
12月26日:ボクシングデー(多くの英連邦諸国)-ブラックフライデーと同様、オーストラリア、イギリス、英連邦周辺の消費者にとって、この日は大きな割引ショッピングデーとなる。
12月26日~1月1日:クワンザ(米国)
12月31日 大晦日(グローバル)

では、1年で最大のショッピング・デーは?

ホリデーマーケティングを成功させたいのであれば、どの日に焦点を当てるべきかを知る必要があります。もちろんこれは、地域、ターゲット市場、提供する商品やサービスの種類によって異なります。ブラックフライデーは一般的に、1年で最もショッピングが活発になる日とされてきました。更にEコマースの継続的な台頭により、サイバーマンデーと統合され、サイバーウィークとなり、感謝祭と合わせて、これらの祝日は米国で記録的な消費額を生み出しています。

*このブログは、2023年6月にOutbrain Inc. から発表されたものを意訳したものです。