アテンション指標: ビューアビリティを超えて、広告パフォーマンスを正確に測定する方法

広告の真の役割は、永続的なインパクトを生み出すユーザーと意味のあるつながりを築くことです。広告業界がこの基本原則を再認識することにより、「ビューアビリティ」のような従来の指標は、広告の成功を測るにはもはや十分とは言えなくなってきています。代わって「アテンション」が、ブランド企業の主なビジネス成果を図るための基本的な指標として台頭してきています。

とはいえ、「アテンション」という言葉を聞いても、いまいちピンとこない方が多いかもしれません。このブログでは、アテンション指標について少し深く掘り下げ、今日の広告戦略におけるその重要性と、なぜそれがブランド企業にとってより信頼できる成果予測になりつつあるのかを紐解いていきます。

アテンション指標とは?

アテンションとは、IABが認定した新しい指標で、個々のユーザーが広告にどれだけ興味を持ち、集中しているかを測定するものです。アテンション指標は、誰かが広告のメッセージを吸収できたかどうかを測定しようという業界全体の取り組みの一環であると言えます。これは、インプレッションやビューのような従来の指標を超え、エンゲージメントの質やキャンペーンの効果に関するインサイトを提供します。

なぜアテンションが重要なのか?

デジタルスクリーン上の平均的なアテンションは、2004年以来69%減少していることをご存知でしょうか。世の中の多くのコンテンツは私たちの集中力を奪い合い、それがさらにアテンションをデジタル時代の主要指標へと押し上げているのです。

そして、デジタルエコシステムにおける以下のような大きな変化により、広告主やパブリッシャーはデジタルキャンペーンの効果指標として、より新たなインサイトに頼るようになってきたと言えるでしょう。

  • クッキーの廃止: サードパーティクッキーが廃止される方向に向かっているため、広告主やパブリッシャーは、パフォーマンス指標として機能する代替指標に注目しています。
  • クリエイティブとコピーの進化: デジタル広告の進歩により、ブランド企業は広告コピーやデザインをよりクリエイティビティ溢れるものに進化させるようになりました。アテンション指標は、どのようなメッセージやクリエイティブが最大のインパクトを与えているかを知るという課題に対して、解決策を提供することができます。
  • 測定ニーズ:ブランド企業やエージェンシーは、アテンション戦略と実際のビジネス成果との相関関係を明らかにすることに大変高い関心を寄せています。

アテンション指標は、意味のあるインタラクションが実際のビジネス成果につながるかどうかを明らかにすることができます。調査によると、アテンションとファネル全体のビジネス成果には直接的な相関関係があることが分かっています。

アテンション指標の測定方法

指標としてのアテンションに普遍的な定義はなく、業界全体でアテンションを測定するために使用されている方法にはばらつきがあります。

通常、アテンションを測定するソリューションは、アイトラッキングから始まりますが、これはある特定のユーザーグループの協力のもと、広告を含むページのどの部分に注目するかを追跡していきます。これらのアイトラッキング調査は、広告の想起や購買意欲を評価するための調査により補完されることもあります。得られたデータは、機械学習アルゴリズムの学習に使用され、個人の心に響くコンテンツやクリエイティブのタイプを予測することができるようになります。 

また、その他のプロキシシグナルも収集されますが、これはアイトラッキングデータと組み合わせることで、予測モデルのインテリジェンスを高めるのに役立ちます。このプロキシシグナルには、ビューアビリティ、視聴時間、滞在時間、コンテキストの整合性、クリックスルー率、スクロールの深さなどの指標が含まれます。

アデレード・アテンション指標

Adelaide は、アテンション・エコノミーで最も広く認知されている指標の1つであるアテンション・ユニット(AU)を生み出した会社です。広告のプレースメントには、成果の可能性を予測するために、1から100までのAUスコアが提供されます。このプレースメント毎のAUスコアは、セッションレベルのページデータと成果データの組み合わせから導き出されます。スコアが高いほど、そのプレースメントがセールスファネル全体における成果を促進する可能性が高くなります。

Adelaide のCEO Marc Guidimann 氏は以下のように述べています。 

「すべてのキャンペーンは、広告主の実際の成果に向けて最適化されるべきです。そしてアテンションは、さまざまな方法で利用できるようオープンにされるべきなのです。例えば、特徴的なコンテンツが表示されたり、メッセージがメッセージを受け取る際に、人々がクリエイティブに注目していることが重要になります。私たちは、クリエイティブがユーザーを捉えるアテンションの機会を作り出すことはメディアの仕事だと考えています。そのために、メディアと協力して更なる成果を促進していきたいと考えております。」

ビューアビリティ vs アテンション: その違いは?

広告が閲覧される可能性だけを測定するビューアビリティに比べ、アテンションによりマーケターは、成果主義に基づいたメディアバイイングを強化することができるようになります。インプレッションやリーチのみに基づいてメディアを選定する代わりに、広告キャンペーンによって生成されたアテンションを測定して出稿先を決めることができるようになります。

アテンション指標は、インプレッションの枠を超えて、メディアの品質と効果を正確に評価する、透明性がありプライバシーに配慮した方法を提案してくれます。ビューアビリティのような基本的な測定基準は、特定のメディアに投資するかどうかを決定するのに役立ちますが、アテンション指標は、適切な投資レベル、メディアのパフォーマンス、ブランドメッセージがユーザーのアテンションに与える影響など、より重要な懸念点に対するアドバイスを提供してくれます。このような情報により、マーケターはより強い確信を持って出稿先を決定し、より効率的にアテンションを生み出すことのできるソースに焦点を当てるためにメディア戦略を調整し、より良い成果を達成することができるのです。

先出のAdelaide CEO Marc氏は以下のように述べています。

「私はアテンション指標が、ビューアビリティを超える進化だと考えています。ビューアビリティが高くても、広告主にとってはアテンションもビジネス成果もあまり期待できないものが増えています。アテンション指標によってもたらされた最大のポイントは、ビューアビリティに代わり、より優れたメディア品質の指標を提供できるようになったことです。」

アテンション指標による広告戦略: より深いインサイト

アテンション指標により、メディアミックスやプレースメントからクリエイティブ、フォーマットの選択に至るまで、ユーザーにとって何が効果的かを深く理解することができます。これらの要素を元に、質の高いユーザーのエンゲージメントに向けてキャンペーンを最適化することは、ブランドとパブリッシャー間の信頼構築にも貢献します。

Marc氏はまた、以下のように述べています。

「私はアテンション指標から得られるインパクトには、大きく2つあると考えています。1つ目は、圧倒的に重要なポイントですが、広告主にとってより良い成果、より効率性が上がったことです。広告主は無駄を省くことができ、アテンションを獲得できなかったインプレッションに投資していた資金を、より効果的なメディアやプレースメントに投資することができます。そして、それが2つ目のインパクトすなわちビジネス成長を生み出し、市場全体の好循環を生み出していきます。」

Outbrain +Adelaide アテンション指標: Onyxの成功

Outbrain はAdelaide と提携し、すべてのOnyx のキャンペーンにおいてアテンションの可能性、すなわちAUスコアを測定します。Adelaideが各プレースメントに割り当てたAUスコアは、ユーザーのアテンションの強さを示し、それらが認知度、購入意向、またはROIに関係するかどうかにかかわらず、プレースメントが望ましい結果を達成できる確率を示します。

AdelaideによるOnyxの結果: 

  • ベンチマークである標準的なモバイルバナーに対して、AUで53%以上のパフォーマンスをマークした。
  • 他のHigh-impact /リッチメディアフォーマットのベンチマークより20%以上高いAUをマークした。
  • Adelaideのディスプレイとリッチメディアを組み合わせたベンチマーク全体を、すべてのデバイスタイプで平均26%以上上回った。


「アテンション指標を理解し、キャンペーンのライフサイクル全体でどのように使い分けるか、どのようにニュアンスの異なるアプローチをとっていくか、ということが非常に重要です。アテンション指標は、より良い結果をもたらすことが証明されています。アッパーファネル、ミドルファネル、ローワーファネル、それぞれのファネルにおいて、メッセージ、クリエイティブを工夫することで、広告主にとってより良い結果を導くチャンスが広がります。Adelaideでは、広告主が望む成果を一貫して達成するために、最低限必要なAUを理解するのに役立つ一連のプランニングツールを開発してきました。また、より簡単にご利用いただけるように注力してきました。これは、Outbrain とのパートナーシップの一環で、広告主がアテンション指標を活用して、より質の高いメディアのプレースメントを簡単に購入できるようにするためのものです。OutbrainのOnyx プラットフォームはまさにこれを具現化しています。」とMarc氏は述べています。

*このブログは、2023年10月に Outbrain Inc.から発表されたものを意訳したものです。