2014年のベスト・ネイティブ広告

mika2015年のベストネイティブ広告もすでに発表していますが、昨年投稿された2014年のベストネイティブ広告のサマリーを翻訳してご紹介いたします。

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2014年実施されたネイティブ広告を見渡してみると、2013年に比べ2014年は全般的にコンテンツのクオリティが上がったように思います。ただし、透明性と編集力という部分では、まだ改善の余地が残されているといえます。ネイティブ広告の多くは、この二つの内どちらかが少なからず課題となっているからです。

それでも定義や標準化といった問題を差し置くと、2014年はヒットした印象的なネイティブ広告がたくさんあり、以下のような事例に多くの人が集まりました。

 

Mobile-Minded(モバイルに夢中) (マッシャブル&マスターカード)

ニュースサイト 「Mashable(マッシャブル)」と「マスターカード」のコラボレーションは、スマートフォンの台頭に伴う、スマートフォンと個人的なつながりを取り上げています。データを多用し、インフォブラフィックスという手法でスマートフォンの利用動向を分かりやすく紹介している点が非常に優れているキャンペーンです。

 mastercard

 

First&Long SBネーション&ナイキ)

スポーツサイト「SB Nation」と「ナイキ」は、プロのアメリカンフットボール選手6人が彼らの卒業した高校を訪問し、アメリカンフットボールの練習に突如加わって貴重なアドバイスする様子をドキュメンタリー動画にしてシリーズ化しました。ユーザーは声援を送るためにサインアップし、このシリーズで取り上げられている6人の選手のうち一人に、フォーム内でメッセージを送れる仕掛けになっていました。このコラボレーションはインタラクティブであるため、さらに人気が高まりました。

nike

 

THE LUNAR FOOTPRINT(月面の足跡) (THRILLIST& GE

男性向けのライフスタイルサイト「Thrillist」 はGEと組んで、彼らのテクノロジー/ギアのサイトSupercompressor(超圧縮機)で月面着陸45周年記念を大々的に祝いました。GEのブランドコンテンツである月面着陸が、GEが革新と技術という点においてリーダーであること表しており、GEのブランドのストーリーを伝えるために、どのようにネイティブのパートナーシップを活用するのがいいのか戦略的に考えられたキャンペーンです。さらに、政府がますます有人飛行から距離を置いている中、有人飛行というトピックスがとても興味深い時期でもあり、GEがこのようなコンテンツを用いることで、フロンティアとして業界をリードする機会をはっきりと見据えて、探査や技術革新に対する情熱を発信しています。

 GE

 

女の子全員が遊ぶべき人形を、二人のエンジニアが創ったら (MIC.COM & コール ハーン)

コールハーンのキャンペーンは既に制作されたコンテンツをさらに広げるため、ブランドがネイティブパートナーシップを活用した例です。“歴史はここから始まる”というこのシリーズは、ブログを含めさまざまな形式で展開されています。コールハーンは「Mic.com」とのパートナーシップを組んだがおかげで、多くの記事が平均30,000シェアを獲得する(ほとんどはFacebookにて)といった社会的なエンゲージメントを得ることができました。

 colehann

 

受刑者の女性 (ニューヨーク・タイムズ & ネットフリックス)

「New York Times(ニューヨーク・タイムズ)」と「Netfiix(ネットフリックス)」のコラボレーションは昨今最もすばらしいキャンペーンでした。コンテンツがとてもリッチで、臨場感あふれ、ネットフリックスのヒット番組「Orange is the New Black(オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たちは)」と関連していることがそれほど重要ではなくなるほどよく研究されていました。特徴的なのはネイティブ広告のモデルとなるアプローチで、ブランドがタイムズの記事にはならないような緊急のストーリーのスポンサーになったという点です。それはドキュメンタリースタイルのアプローチで、タイムズの調査報道の典型的なブランドに非常に似ているため、関係者全員、つまりはパブリッシャー、広告主、そしてもっとも重要なオーディエンスが満足するものになったのです。

 netflix

 

2014年のトップネイティブ広告に選ばれたキャンペーンの共通点は、パブリッシャーと組んだペイドパブリシティという方法だけではなく、様々な方法でコンテンツにおいても成長していっているという点です。

ブランドは素晴らしいストーリーテラーであり、コンテンツメーカーでもあります。ストーリーを伝える上手さはパブリッシャーとのパートナーシップにそのまま生かされ、最終的には、ほかの領域での成長にも役立っていくのかもしれません。