意識 vs 関心-ユーザーの無意識に迫る方法

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「意識が行動を決め、無意識が反応を決める。そして反応は、行動と同じく重要だ」。

これはE. Stanley Jonesの言葉です。

こんなことをご存知でしたか?私たちの心は2つの異なる小さな意識から成り立っており、それぞれが違う方法で働き、別の機能を果たしています。無意識は、人間の自然の本能や習慣の全てを構成し、意識は己の意思による行動を起こさせているのです。無意識は人間の脳の99%を占め、行動の大半につながっていますが、意識は日常の行動のほんの一部を生じさせているに過ぎません。

 

検索データ(=意図を示すデータ)で人の意識を理解する

 

私がこれまでに仕事で出会った大半のマーケティング戦略家は、戦略プランをGoogleなどのパートナーから得たデータに基づいて決めていました。こうしたデータは主にユーザーの検索クエリーから収集したものであり、 Google CorrelateGoogle Trendsなどのツールを使って引き出されています。

検索データにより素晴らしい洞察力を手にすることができますが、それだけでは不十分。ユーザーの意識を知るためのデータに過ぎないからです。ユーザーが何を意図していたかを特定するデータだけでは不完全で、ユーザーの無意識を知ることも必要なのです。ユーザーが何を好み、何を欲し、何を望んでいるのか、その全体像を本当に知りたければ、ユーザーが検索している先にあるものにも目を向け、ユーザーの喜びの源が何かを深く見つめることが大切なのです。例えば、ファッション関連のコンテンツに関心がある人が、必ずしもファッションに関する用語を検索したり、SNSでファッションの話題をシェアするとは限りません。人の「意識」に関するデータだけでは、こうしたユーザーの関心にまで掘り下げて理解することは難しいのです。ユーザーのコンテンツの消費状況やエンゲージメントを理解することができてはじめて、ユーザーの「無意識」に迫り、ユーザーの真の好みを把握することができるのです。

 

コンテンツ消費データ (=関心度を示すデータ)で無意識に迫る

 

Outbrainは、幸運にも世界でトップクラスのコンテンツパブリッシャーと協力して事業を行っています。米国ではCNN、ESPN、Men’s Health、Vogue、People、GQ、TIME Magazine やInStyle、英国ではThe GuardianやThe Telegraph、フランスではLe MondeやLe Figaro、ドイツではBILDなど、他にも多くの雑誌と提携。おかげで、世界の6億人近くもの読者(=潜在ユーザー)のコンテンツ消費習慣を調べることができています。その結果、独自の非常に興味深いデータセットを取得し、各社のマーケティング担当は、それぞれのターゲット顧客が本当は何に関心があるのかを特定するのに役立てています。

以下のグラフを例にしてみましょう。日曜大工や家のリフォームに関心のある人は、ファッション、アート、ゲーム機にも関心を示す傾向が強いことが分かります。

Content consumption Category

 

また別の事例として、ある大手CPG (消費財)ブランドの場合、ベビーケア関連のコンテンツのモバイル機器での読者獲得率が最も高いのは、午前2時~4時の間であることも分かったのです。

これはなぜなのでしょうか?おそらく多くのママたちが、赤ちゃんの授乳のためにこの時間帯に起きていて、まさにその瞬間の自分のニーズにぴったりのコンテンツに対して素早く反応するからなのでしょう。このことが事前に分かっていれば、この時間帯に配信するコンテンツをターゲットユーザーに特化したものにすることができるのです。

例えばこんなことが考えられますよね。
記事のタイトル例 - 「午前4時の授乳時にすべき5つのこと」
記事のコンテンツ例 - 「つらい咳のせいでなかなか眠れない赤ちゃんをあやそうと午前2時に頑張っている新米ママ…」

 

もっと視野を広げてみましょう。以下は、休日のトレンドに関する驚くべき「データの見える化」です。

Outbrainのネットワークを介して掲載されたコンテンツから得たデータを、ページビューにより図化した結果、この年末年始にテクノロジーカテゴリーで最も人気を集めたのは何かを特定することができました。

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意識+関心でコンテンツ戦略を改善

 

次回、皆さんが包括的なコンテンツ戦略を策定する際には、入手可能なデータソースを検討し、ユーザーの「意図」に関するデータだけでなく「関心」についてのデータも必ず活用するよう、心がけてみてください。

意図と関心に関するデータは相互に補完し合うものであり、この2つが融合することで、ユーザーに喜びを与える方法をより広い視野で理解することができます。これぞ、まさにコンテンツマーケティングと言えるのです。