“ユーザー目線”のコンテンツ作りにこだわる vol.2

【インタビュー】月間90万ページビューを誇るガシーレンカーのオウンドメディア『ニキペディア』成功の秘訣とは?

 

ガシー・レンカー様のデジタルマーケティングの取り組みについて、デジタルマーケティング部シニアマネージャーの藤原様に話をお聞きしました。

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嶋瀬 非常に読み応えがあって、さらにもう1記事読みたいという人間が4人に1人発生するような『ニキペディア』の記事は、どういった体制で作られているのでしょうか?

 

藤原様 今は、社内は二人が担当し、アウトソースして記事を書いています。しかし、最初からアウトソースしていたわけではなく、最初はまず自社で作って、しっかりノウハウを貯めるということをしていました。どの記事が良くてどの記事が悪いのか、自分達で作らないと判断ができないからです。そのときの体制は5人ぐらい、ほぼ全員が兼務という状態で、自分たちで記事を作るということにこだわってやっていました。ポイントは必ず、デジタルのことをあまり知らない人を入れることです。文章を書いたりブログを書いたり、Facebookをやったりするのは得意という方に声を掛けて、本当のユーザー目線で記事をまず書き、その後に、ある程度SEOのことが分かっているものが調整して、最後に仕上げてアップするという体制を組んでいました。 その点が、普通のコンテンツマーケティングをやろうとしている人たちとの、最初の入り口の違いかと思います。だいたいのケースは、デジタルの部署で、デジタルの担当をしている人が、兼務で書くというスタートが多いですからね。

 

嶋瀬 まさに、ユーザー視点のコンテンツ作成というところを重要視している体制を考えられたのですね。まずは内部でやって、内部でノウハウが貯まってから外部でというこの流れも、一つ正解としてあるのではと私も思います。

その他、コンテンツ制作のコツなどはありますか?

 

藤原様 一つは自分が書いている記事が、購買ファネルのどの層のターゲットに書いているかというのは、明確にしたほうがいいですね。つまり、キーワードは検索のボリュームを調べれば分かりますが、そのキーワードで書く記事の内容は、初めてそのことを知る人向けに書くのか、すでにいろいろ検索して調べてきた人に書いているのか、ほぼ商品を決めているけど、最終的に背中を押してほしくて読んでいる人かというのは、ファネルによって、同じキーワードでも違います。そこを見極めるのが結構大事で、そのためには、そのキーワードで検索して、ファーストビューに出てくる実際のコンテンツにはどんなものがあるのかを見て、それと似たような内容を書くべきなのか、それとも特徴を出すために違う記事を書くのかということを決め、このキーワードについては、このファネルの層向けに書こうなど、その人はどういう状態でどういう趣味、シチュエーションで検索しているのかというのを、どんどん詳しく具体化していって、それに合ったストーリーを書いていきます。ほかにも、実際のペルソナと合わせて、女性らしく優しく、「何とかかな」とか「だよね」系で文章を書くとかまで考えています。

 

嶋瀬 よく一般的なコンテンツマーケティングの教科書というのは、ペルソナ設定が重要ですといって、そこで終わってしまうことが多いのですが、ガシー・レンカー様はその先のファネルであったりとか、シチュエーションであったりとか、同じペルソナでも、もう1段階深掘りをしていかないと、刺さるものにならないということを考え実行されています。ニキペディアの記事を読んでいて、これこそが本当にコンテンツマーケティングだなと思うのが、成功のロジックもそうですが、記事が3年後に読んでも古くなっていない記事ばかりです。Outbrainでお手伝いさせていただいた当初から人気記事が変わっておらず、しかもコンバージョンもいまだに取れています。記事に費やした費用のROIがどんどん高くなっていっているんですよね。

今後はどのようなことに力を入れていこうとされているのでしょうか?

 

藤原様 今は記事がメインですが、テキストではないコンテンツマーケティングにもチャレンジしていきたいと思っています。その一つが動画と漫画です。いろいろなバリエーションのコンテンツを作っていって、広げていきたいと思っています。ほかにも、作ったコンテンツをPRにも活用していきたいですね。

 

嶋瀬 コンテンツ制作のノウハウなども含め、貴重なお話しをありがとうございました。