【コラム】CTRを改善する七つの方法

パフォーマンス・マーケティングの世界に足を踏み入れると「CTR」という単語を毎日耳にするようになります。

基本中の基本ではありますが、このCTRとは、クリックしたユーザーの数(クリック数)を広告が表示された回数(インプレッション数)で割ったものです。

 

CTRとは:広告のクリック数÷広告の表示(インプレッション)回数=CTR(Click through rate)

 

パフォーマンス・マーケティングの指標の1つとして、CTRは確かに重要です。  それだけではなく、マーケターは一般的に広告のクリックごとにパブリッシャーに支払うため、このCTRはマーケターとパブリッシャー双方の収益に大きく影響します。

そこで今回は、毎日のPPC(Pay Per Click)キャンペーンにおけるCTRの重要性を踏まえて、CTRについて本当に知っておくべき7つの事項をまとめました。 これらの点を理解することで、CTRの仕組みだけでなく、現在よりも優れたCTRを実現する方法がわかるようになります。

7つの事項①:CTRは重要なメトリクスです。

一般に、高いCTRはより高いCVR(Conversion rate)と相関します。 これはおそらく、ユーザーがその魅力的な広告をクリックした場合、コンテンツ自体もまた魅力的なものであるという事実に関連しています。 次にユーザーは閲覧したコンテンツに刺激を受け、CTA(Call-to-action)を実行に移します。 またより多くのユーザーがCTRをあげるとエンゲージメント率も向上し、コンテンツスコアも押し上げられ、CPCも低くなり、インプレッションシェアも増加します。 高いCTRは波及効果をもたらし、ポジティブな結果をもたらします。

 

7つの事項②:CTRはその他のKPIと共に分析することで、より有効なものになります

CTRとは、広告をクリックしたユーザーの数を計測したものです。 LP(ランディングページ)のCVR(フォームを完了した人数など)や営業担当者に連絡した人数などは反映されません。 CTRはマーケタ―の広告がどれくらい有効なもので、実際にクリックされたのかを測ることができますが、ユーザーへのリーチだけではなく実際のコンバージョンを目指している場合は、CTRだけではメトリクスとしては完全ではありません。

たとえば、CTRが非常に高くてもCVRが非常に低い場合は、リーチするユーザーが広すぎるか、クリエイティブのタイトルがリンク先ページと一致していない可能性があります。 CTRを他の指標とともに使用すると、より深いインサイトが得られます。

 

7つの事項③:「良い」CTRとは何か?を見極めましょう。

良いCTRと考えられるものは複数存在し、またプラットフォームによっても違います。 AdWordsのペイド検索の場合、平均2%のCTRがあり、その数値を超えるものは良好とみなされます。

ただし、Facebook広告のCTRは0.9%です。 またトップ3のCTRパフォーマーは、デート&恋愛マッチング系、ファイナンス&保険、B2Bとの結果が出ています。

業界の平均値を把握するだけでなく、マーケターが直面している最も難しい競合相手はマーケター自身です。 過去の自分自身の記録を上回るようにして、次回のキャンペーンでのCTRを前回よりも高くすることに重点を置いてください。

 

7つの事項④:CTRがSEOに与える影響を理解しましょう。

検索エンジンでのランキングは、各ウェブサイトの人気度に部分的に基づいており、人気はPVによって測定されます。 ページのクリック数が多いほど、言い換えればクリック「率」が高いほど、検索エンジン上の価値は高くなり、 あなたのページは自然に高いランクになります。 結論として、 CTRが高いほどSEOは向上します。

品質は重要です。この記事のように、検索エンジンは検索クエリに最も適したページを判断するためにエンゲージメントを研究しています。 だからマーケターはウェブサイトを「ユーザーが楽しめる高品質なコンテンツ」にすることを目指し、SEOを高めるためにCTRを改善してください。

 

7つの事項⑤:広告のタイトルを改善すると、クリック率が向上します。

ユーザーは魅力的で興味深いとユーザー自身が感じた広告をクリックします。 高いCTR広告は、ターゲットオーディエンスとの「コミュニケーション」に成功したといえます。 逆に、広告のCTRが低い場合は、広告タイトル、メッセージ、またはクリエイティブを改善して、ユーザーにより魅力的に見える広告を練り直す必要があります。 良い広告を作成するために、まずはより成果の高い広告を見てみましょう。 どのような言葉やフレーズを使用していますか? CTAはどんなものですか? デザインの特徴は何ですか? 広告が効果を発揮するものを再現するようにして、より良い結果を得ることができます。

 

7つの事項⑥:キーワードは重要です、慎重に選択しましょう。

説得力のあるタイトルに関連して、 マーケターは効果的な「キーワード選び」にも取り組む必要があります。 例を挙げてみてみましょう。例えば、野外イベントなどへのケータリングをしているベーカリーがいたとします。 キーワード「カップケーキ」は非常に幅広いですが、キーワードを「ケータリング特別カップケーキ」に絞り込むと、よりターゲットを絞ったユーザーにアプローチできます。 そのように焦点を絞ったキーワードを選択すると、インプレッション数とクリック数を犠牲にしている可能性がありますが、CTRは高くなるでしょう。 これはより質の高いトラフィックを生んでいるといえます。 CTRを軸に強力な主要キーワードやロングテールキーワードを模索しましょう。

 

7つの事項⑦:テストは成功への道です。

OutbrainのPPCキャンペーン専門家がこれまでに指摘してきたように、PPCはすべて、何が効果的で何が効果がないかをテストすることです。 広告でA / Bテストを使用することで、CTRを向上させる方法を推測することができます。 言葉の代わりに数字を使うか、CTAを起こす言葉になっているか、句読点を微調整するべきか、など改善のポイントは多く存在します。 あるいは、ユーザーが「感情的に」共鳴するより良いサムネイルが必要なのかもしれません。 それが何であれ、テスト結果からインサイトが得られたら即座に、クリエイティブに対して必要な変更を実装するようにしてください。 そのうえでパブリッシャーとテストのサイクルをやり直してください。 ちょっとした手間と忍耐をもってキャンペーンを最適化し、CTRを急上昇させることができます。

最後にOutbrainのオンライン獲得の責任者であるNir Elharar氏から、CTRを上げる方法についてのボーナスヒントを提示したいと思います。

 

ボーナスヒント:ユーザーを知りましょう。

「CTRを向上させたい場合は、ユーザーを真に理解することから始めます。どんどんユーザーの頭の中に入ってください。 ユーザーが探しているサービスや製品をどのように表現するかを考えてみましょう。 ユーザーの使っている言葉を学び、ユーザーが操る専門用語を使用してください。 マーケターにとって重要だけれどもユーザーにとって重要ではないものは、捨てましょう。最も重要なことは実際にユーザーと話すことです。 ユーザーとの交流は、ユーザー自身の関心事でもあります。 ユーザーとのコンタクト情報を未使用のままにしないでください! 理想的な顧客プロファイルが本当はどのようなものかを知り、あらゆる機会にそれを活用しましょう。」